【30秒は正しいのか?】コーヒーの蒸らし時間について
ドリップコーヒーを淹れる時、最初にお湯を注ぐ作業が蒸らしの工程になります。
その蒸らしの作業はコーヒー豆に含まれる炭酸ガスを抜くことです。
蒸らしの時間経過で炭酸ガスが多く抜け、コーヒーの味わいが変わります。
おいしいコーヒーを淹れるために、適切な時間で行うことが必要です。
本記事は、適切な蒸らし時間の設定や蒸らしの必要性について解説します。
蒸らす意味 必要性について
蒸らしとは、コーヒーとお湯をなじませることです。
コーヒー豆は焙煎することにより、炭酸ガスを持つ性質があります。
その炭酸ガスは一気に注ぐお湯では抜けません。
その理由は、コーヒー粉の表面に目に見えないたくさんの穴があり
注ぐお湯になじまないと、その穴からガスが抜けないためです。
まずは少量のお湯でコーヒー粉表面の小さな穴にも、お湯がいきわたるようにして
炭酸ガスを放出させます。
しっかりとガスを放出できるとコーヒー粉の表面積は大きくなり、成分を抽出しやすく
なります。
蒸らしを適切に行うことは、しかっりとした抽出ができるということです。
この最初のお湯を注ぐ作業、蒸らしを丁寧に行いましょう。
蒸らしの時間設定について
続きまして、蒸らしの適切な時間について解説します。
一般的には30秒が理想とされていますが、決して固定されるものではありません。
なぜならば、コーヒー豆の状態で含まれている炭酸ガスの量が違うからです。
炭酸ガスの含まれる量の違いは、コーヒー粉を蒸らした時にわかります。
コーヒー粉の膨らみの様子で、コーヒーの状態がわかります。
焙煎度合いが深煎りであるほど、そして焙煎して日が浅いものや新鮮なものは
大きく膨らみます。
その膨らみが落ち着いた時が、蒸らし時間の終了となります。
大きく膨らむコーヒーは40秒が目安となり、それ以上は避けてください。
蒸らしに長い時間かけることは雑味がでてしまう要因です。
蒸らし時間の差で、どのように味がかわるのか?
コーヒーの味は蒸らしの設定時間でどのように変わるかを解説します。
蒸らしの設定時間別 味わいの傾向について
蒸らし時間20秒
この蒸らし時間では、他の成分が出ないので酸味だけが際立つ印象です。
フルーティさの甘味は感じられません。
冷めてくると、酸味が強調され、あわせて強い渋みを感じます。
蒸らし時間40秒
酸味やフルーティさの甘味、そのコーヒー豆の持つ良さがしっかりと
とれている印象です。冷めても雑味を特に感じません。
蒸らし時間60秒
蒸らし時間は十分甘味成分も出ている経過時間ですが、長時間経過により
苦味と雑味が強く感じます。冷めると非常に強い渋みと苦味になります。
「蒸らしの設定時間別 味わいの傾向」から考察しますと、コーヒー豆のコンディ
ションにもよりますが、コーヒーの蒸らし時間は30秒~40秒以内で設定することが
ベストであると考えます。
理由としては、コーヒー豆が持つ各成分を一番よく引き出し、バランスを保つことが
できるからです。
蒸らしの設定時間の違いで酸味や甘味、苦味のバランスが変わります。
そのバランスが味わいに影響しますので、蒸らしの時間はしっかりはかって行って
ください。
コーヒーをうまく蒸らすには?
コーヒーの蒸らしの時間を正しく設定できれば、バランスが良いコーヒーとなります。
おいしいコーヒーを淹れるための、上手に蒸らすポイントをご紹介します。
お湯の注ぎ方と量
コーヒーの蒸らしの本来の目的は、コーヒー豆に含まれる炭酸ガスを抜くことです。
コーヒー粉の表面にお湯が行き渡ることで、成分を出やすくします。
そのためにお湯の注ぎ方と量は大切なポイントとなります。
まず注ぎ方ですが、ゆっくり注ぎ全体に行き渡るように心がけます。
フィルターの中心より、円を描くように外側に向かって注いでいきます。
お湯の勢いが強くならないことに注意して、全体になじむようにお湯を注いでくだ
さい。
お湯の量は、コーヒー粉の2倍~2.5倍が目安です。少なすぎるとお湯がコーヒー
全体に浸透せず、しっかりと抽出できません。
またお湯の量が少ないと蒸らし中に温度が冷めやすくなり、味にムラがでます。
できればドリップスケールを使い、計測しながら注湯することをおすすめします。
▼コーヒーの蒸らし後については、こちらの記事を参考にしてください。
最後に
コーヒーの蒸らし時間は30秒~40秒以内でと説明しました。
この設定時間に幅を持たせたのは
・コーヒー豆の焙煎度合
・コーヒー豆の新鮮度合
・焙煎してからの経過日時
で変わるからです。
コーヒー豆のコンディションをふまえ、蒸らしが終わる瞬間を見逃さないためにも
以下のことに注意して下さい。
お湯を注ぐと表面に気泡が「ぷつぷつ」と現れます。はじめは勢いがよくでますが、
時間が経過していくと、「ぷつぷつ」の勢いが弱くなっておさまり最後に止まります。
この瞬間からコーヒー豆の表面が乾き始めます。この瞬間こそ「蒸らしの終わる時」に
なります。この瞬間を見逃さないでください。
何度かためして自分好みの味を見つけてください。コーヒーライフを楽しみましょう!